空想座標上の歪曲極限

陛下経由の童話バトンですよー

　可能な限りの時間を執筆にあてているので姉御から渡されなかったのはありがったのですが……あーもー彼にはハゲる呪いをかけました。
　ともあれ以下バトン。ご自由にお取りやがってください。



★犬はともかく猿やキジは近所にいない。桃太郎……どうする？

「仕方ない。犬、俺たちだけでいくぞ」
　と桃太郎が草むらに入った時でした。
「まーてー！　待つんじゃー！」
「お、オーキド博士……！」


★ガラスの靴が脱げないハプニング！シンデレラ……どうする？

「あれ、脱げない!?　あ、ちょっと王子そっち引っ張って」
「あ、ああ。引っ張ればいいんですね？」
　うんとこしょ。どっこいっしょ。それでも靴は脱げません。王子は臣下を呼びました。臣下もいっしょに引っ張ります。うんとこしょ。どっこいっしょ。それでも靴は脱げません。臣下は兵士を（以下略）こうしてシンデレラは幸せになりましたとさ。

　というかシンデレラが自ら靴を脱ごうとする設定だとすごいあざとい女性に……。


★お椀の船が転覆しました。一寸法師……どうする？

「どうすんの俺……」
　うろたえる一寸法師はハッと懐をさぐりました。そして再び抜き出されたその手には、
「ライフカード……つづくっ！」


熊が予想以上に強そう。金太郎……どうする？

マサカリッ！　マサカリッ！

　後日のニュース。
「えー。少年は『そういう物語だった』などと意味不明な供述をしており……」



★キスしてくる王子様がものすごくタイプじゃない。白雪姫……どうする？

　気が弱い白雪姫にはどうすることも出来ません。泣きそうになりながら唇を震わせることしか出来ませんでした。
　どうしようもない。わたしの貞操はこんなやつに奪われるんだわオヨヨと嘆いた、その時でした。

王子「くさっ……！　この部屋ニオウヨッ！」
白雪「えっ！」
王子・白雪姫「臭いをとるとる消臭力っ！」


★近頃、子供たちが生意気になってきた。ピーターパン……どうする？

ピーター「いい子にしないやつは今日はフックおじさんと同じ部屋で寝させるからなー」
子供たち「えー！？　やーだー」
フック「(´・ω・｀)……」


★兎がどうしても寝てくれない。亀……どうする？

亀「かーめーはーめー波ぁーっ！」
　直撃、兎さん永眠。
亀「だいじょうぶだ！　あとで生き返らせるっ！」


★魔法のランプで願い事が３つ叶えられる。アラジン……どうする？

ジャパネット「そしてそれだけじゃありませんよ～？　いいですか今日だけ特別ですっ！　なんとお値段このままで、さらに願い事をもう一つお付けします！」

アラジン「なんとっ！　電話、今すぐ電話だ……！」


★助けてあげた王子様がそっけない。人魚姫……どうする？

「…………」
「あ、あの、王子さん？」
「…………」
　王子様は相変わらず返事もしてくれません。嫌われただろうか。何か癇にさわったのだろうか。人魚姫は重い沈黙に押され、うつむいてしまいました。
　視線のさきには白線が一本。
「あ……」
　そこで人魚姫は気付きました。こみ上げる嬉しさが思わず笑顔となって滲みでます。腕をぎゅっと抱きしめると王子様は恥ずかしそうに人魚姫から視線を逸らしました。
　誰かを守るように歩道側を歩く王子様の目には、青々ときらめきが泳ぐ海。波の音は細やかに響き、二人への祝詞を歌っていました。

あっれなんだこのベタな恋愛ストーリー


　ともあれこんな感じで。現在計３万字ほど書きましたがも一度ムチャに力を入れ直してきます。